人手不足と採用難の克服を
札幌市手稲区協力雇用主会は11月27日、区民センターで人材確保と即戦力採用のための特別セミナーを開きました。
経営者や保護司ら78人が参加。第1部では、刑務所出所者らの就労支援について、北海道矯正管区矯正就労支援情報センターの妙圓薗史室長が講演しました。それによると、今、全国の刑務所に3万2000人が収容されているが、就職活動をしているのは1割。残余刑3カ月の入所者に限っても仕事を探しているのは32%で、62%は探していないという。「知人がいるからいいよ」などという受刑者が多いからだが、たとえ生活に困らなくても何もしないでいると再犯率が高まると指摘しました。
受刑者の希望職種は多岐にわたることから、経営者らに刑務所出所者向けの求人を呼びかけました。
第2部では、手稲区で協力雇用主や行政書士をしている株式会社HOTサービスの細谷和之社長が「外国人労働者の雇用の現状」を語りました。細谷さんの会社はネパールから労働者を受け入れており、社宅にしている食事つき共同住宅には、外国人のほかに、刑務所出所者も入居しています。元警察官の細谷さんは「元暴力団員でも、働く所と住む所を提供して声をかけ続けると、更生できる」と力を込めました。
さらに「札幌市白石区で、何も悪いことをしていない外国人について町内会から『何とかならないか。気味悪い』と言われた。自分と違う言葉を話す人が大声で話すと、おっかないというのもうなづける所はあるが、企業が外国人を雇って住まわせるなら、町内会とコミュニケーションをとり、町内会の人も打ち解ける努力が必要」と、理解しあうよう促しました。


