向谷地さんが講演 再犯防止シンポ
北海道ブロック再犯防止シンポジウムが2月5日、札幌エルプラザで開かれ、浦河べてるの家理事長の向谷地生良(むかいやち・いくよし)さんが基調講演しました。
手稲区保護司会からも10人が参加。主催者を代表して道更生保護委員会の生駒貴弘委員長があいさつ。「ここ10年、刑務所に再犯で戻る覚醒剤事犯者らが減っている。6月からは拘禁刑が施行され、新しい刑法下で改善更生を図る。道議会で更生保護を応援する議員の会が発足し、我々の励みになる」と述べました。
向谷地さんは「当事者研究」で全国的に知られます。当事者研究は、困りごとなどを「悩みや問題」としてではなく、「課題」「テーマ」として前に置き、「研究する」という視点で自由に語り合います。この2年ほど、3人の受刑者と大学教員、刑務所・浦河べてるのスタッフが月1回のペースでミーティングを重ねてきました。
「3人の共通点は虐待や生活困窮の中で司法領域に逃げてきたこと。どういう支援があれば、刑務所に戻ってこないのか。彼らを大切な資源として、この大きなテーマについて研究したい」と語りました。私達は人と問題(罪など)を同一視しがちですが、人と問題を分ける眼差しを持つことを提言。「社会の責任を考えることで悪循環から抜け出せるのでは」と述べました。
このあと、道内の更生保護施設や保護司、道、市の再犯防止担当者ら6人をパネリストとして討論しました。まとめとして、向谷地さんは「専門家ではない、地域の人の眼差し」の大切さを強調し、保護司らに期待を寄せていました。
