協力雇用主・乙井さん講演

 罪を犯した人を雇い入れる雇用主と保護司らとの合同研修会が2月22日、手稲区民センターで開かれました。
 SK工業(手稲区)の乙井敏克社長が「やったこと、前のことを堀り起こしても仕方がない。あとはヤル気。頑張って働けば給料が上がる。もう25年から30年つきあって(働いて)いる人が3人いる」などと、関係の築き方を語りました。
 乙井さんによると、今の従業員13人のうち、約半数が元受刑者です。面接する時、「何をやったの」と聞いても、何も言わない人が多いですが、罪状がわからなくてもヤル気があると思えた人は採用します。困ったのは、再犯をして、乙井さんが身元引受人として深夜、警察に呼ばれたり、裁判で証人になったりしたこと。それでも、罪が万引程度なら、再び雇用しています。
 寮があり、プライベートには一切干渉しません。「人がいないと仕事ができないので、助かったこともある」と、笑顔も交えて話しました。
 この研修会は、手稲区協力雇用主会と保護司会、更生保護女性会の共催。約30人が参加しました。乙井さんに先立ち、札幌就労支援事業者機構の荒木孝則さんが法制度や協力雇用主の課題などについて講演しました。

合同研修会で講演するSK工業の乙井敏克社長