少年院の医師から学ぶ
本年度の第2回自主研修会が2月9日、手稲区民センターで開かれました。少年院の医師から、在院者の特徴や援助者自身の精神的健康法を学びました。
講師は、北海少年院非常勤医師で美唄すずらんクリニック院長の精神科医・築島健さんと矯正医官の2人。築島さんは札幌市の精神保健福祉センター所長や児童相談所長の経験もあります。少年院にいる子は、虐待を受けていた少年が多いのが特徴で、精神疾患の重い子もいるそうです。援助する側のメンタルヘルスとして、「なかなか結果が出ない。対象者自身に幸せになれない事情がある」と言います。入れ込みすぎになると、報われないストレスがたまります。それゆえ「限界設定が重要」と語りました。対象者と距離を保つことです。
保護司は自宅で対象者を面接する人も多いですが、「自宅に対象者を呼ぶことはリスキー」と、サポートセンターなど自宅外で面接することを示唆しました。「自分の羽を抜いて機を織ったツルのようなってはならない」と、持続可能な援助を促しました。
これに先立ち、医官が犯罪白書を元に少年院の被収容者について、高校中退・中学卒が多く、就職先が限られること。実の父母と暮らしていたのは3割にとどまり、片親が半数近いこと。近年は大麻の検挙者が急増していることなどを説明しました。